短編小説の集い「のべらっくす」

僕と僕

「ありがとう。お陰様でだいぶよくなったみたいだよ。」 そう言って晢也さんはベッドから身を起こし横にいる愛香の手を握った。 「よかった。昨日も夜中苦しそうにうなされていたから…。」 「ごめん、もしかしてそのせいで眠れなかった?」 「ううん違うの。…

刹那に散りゆく定めと知りて

ピンク色に染まったアスファルトの上に、風といっしょに、満開に咲く桜の花びらが次から次へとやってくる。今日はとても暖かい。というよりも暑い、といった方がいいかもしれない。マキオは羽織っていた上着のジャケットを脱ぎ、ズボンのポケットに入ってい…

第5回のべらっくすの振り返り

短編小説の集い「のべらっくす」 短編小説の集い「のべらっくす」 なんとなく振り返りしてみる。 交差点 - OK 余裕 交差点 - OK 余裕 とりあえずネコに「何処に?」ってセリフを言わせたいっていうのがモチベーションだった気がする。突き放すつもりはなかっ…

交差点

ダメだ。。眠い。。。超眠い。午前3時。。あと2時間。そしたら僕は、この時間と空間から、解放される。恐らく寿命真近であろう、微かに薄暗い光の蛍光灯を見ていると、シンパシーを感じてしまうあたり、もう、結構ヤバいかもしれない。帰りたい。一刻も早く…

甘党

4年間。っつーか1460日。マジであっという間に4年になっちまった。過去、現在、未来。あっという間に時間は過ぎてしまったようだけど、4年前のオレと今のオレ。1浪してるから正確には5年か?退化??完全に羽化するタイミングを逃してしまったってか??バカ…

サンタがくれたごめんなさい

嫌な夢を見たらしい。ゆっくりと光が侵入してきて部屋の中が少しずつ紫に染まっていく。真っ赤な網タイツとワインでびしょ濡れのバスタオル、蟻の群がるショートケーキと食べかけのチキン、プラス、数字と長針と短針が引き剥がされて秒針だけが動く時計。そ…

4445.0MHz

ステンドグラスを張り巡らした天井から光が差し込み大理石の床を照らしている。木製の重厚な扉が円状に等間隔で並んでいる空間の中央で、白髪混じりの長髪を後ろで一本に結わえた男が、頬杖をついてPCのモニターを眺めている。そしてその男の正面で、金髪の…

Aのハロウィンで、タイトルは「ハロウィンだったから」

【第1回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」 「ハロウィンだったから」 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 「じゃーん!!昨日のハロウィンちょ〜楽しかった ♪ 今年はSexy魔女になってみ…